花火師コラム

熊蜂のナオタ 尾崎正仁

2013年05月07日花火師コラム

ナオタです。29歳。おれもそろそろ両親を安心させたい。拡大

ナオタです。29歳。おれもそろそろ両親を安心させたい。

今度いい子(メス蜂)紹介してよ、尾崎君。拡大

今度いい子(メス蜂)紹介してよ、尾崎君。

こんにちは。
加藤煙火の尾崎正仁です。

この時期の晴れた日は、花火の部品「星」を作ります。
水に溶いた火薬を丸い星にかけ、その上に火薬の粉をかけて回転ドラムの中で回します。
その後、「日乾場」という広場で日干しします。

毎年この時期になると、この日乾場の地上3mあたりで1匹の熊バチが、
まるでヘリコプターが空中で止まっているように「ホバリング」をしています。

今からお話するのは、この熊バチの物語です。

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(熊バチのナオタ)
そんな所で何してんだって?
実は、メスの熊バチが通りかかるのを待ってんだ。
毎日、何時間も浮いたまま待ってるから、けっこうスタミナが必要なんだ。

おっ!誰か来たぞ。
とりあえず追いかけてみるか・・・

(蝶々)
ちょっと!しつこいわね!私に何か用?

(ナオタ)
なんだ、熊バチじゃないんだ。
間違えました、すいません。m(__)m

(ナオタは元の位置に戻って、メスが通るのを待った。ふと下を見ると・・・)

おっ!人間の尾崎君が星を干しに来たぞ!
今日も頑張ってるねェ。
オスの熊バチは刺さないから、心配しないで仕事続けてね~

あっ!また誰か来た!追いかけてみよっと。

(脚長蜂)
なんやねん!オレ熊バチとちゃうで!それにオスやし・・・
これから結婚の準備せなあかんねん。
お前と遊んでるヒマないねん!

(ナオタ)
あ~そうですね、すいません。m(__)m

(ナオタはまた元の位置に戻って、メスを待ち続けた。)

(そして来る日も来る日も同じ空中で、メスの熊バチが通りかかるのを待ち続けるナオタでした。)

(メデタシ、メデタシ。)

この物語はほとんどフィクションです。

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いつも何気なく見ていたホバリングの熊バチ。
ネットでその習性を調べたら親しみが湧いて来ました。

明日も飛んでるかな・・・

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