熊蜂のナオタ 尾崎正仁
2013年05月07日
こんにちは。
加藤煙火の尾崎正仁です。
この時期の晴れた日は、花火の部品「星」を作ります。
水に溶いた火薬を丸い星にかけ、その上に火薬の粉をかけて回転ドラムの中で回します。
その後、「日乾場」という広場で日干しします。
毎年この時期になると、この日乾場の地上3mあたりで1匹の熊バチが、
まるでヘリコプターが空中で止まっているように「ホバリング」をしています。
今からお話するのは、この熊バチの物語です。
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(熊バチのナオタ)
そんな所で何してんだって?
実は、メスの熊バチが通りかかるのを待ってんだ。
毎日、何時間も浮いたまま待ってるから、けっこうスタミナが必要なんだ。
おっ!誰か来たぞ。
とりあえず追いかけてみるか・・・
(蝶々)
ちょっと!しつこいわね!私に何か用?
(ナオタ)
なんだ、熊バチじゃないんだ。
間違えました、すいません。m(__)m
(ナオタは元の位置に戻って、メスが通るのを待った。ふと下を見ると・・・)
おっ!人間の尾崎君が星を干しに来たぞ!
今日も頑張ってるねェ。
オスの熊バチは刺さないから、心配しないで仕事続けてね~
あっ!また誰か来た!追いかけてみよっと。
(脚長蜂)
なんやねん!オレ熊バチとちゃうで!それにオスやし・・・
これから結婚の準備せなあかんねん。
お前と遊んでるヒマないねん!
(ナオタ)
あ~そうですね、すいません。m(__)m
(ナオタはまた元の位置に戻って、メスを待ち続けた。)
(そして来る日も来る日も同じ空中で、メスの熊バチが通りかかるのを待ち続けるナオタでした。)
(メデタシ、メデタシ。)
この物語はほとんどフィクションです。
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いつも何気なく見ていたホバリングの熊バチ。
ネットでその習性を調べたら親しみが湧いて来ました。
明日も飛んでるかな・・・