花火師コラム

点滅の花火  横田栄一

2013年02月02日花火師コラム

こんばんは。加藤煙火の横田です。

今日は私の業務内容をちょっとお話してみようと思います。
私は毎年この乾燥している時期に「点滅」という星(製造工程の2番目)を作っています。
スパンコールとかストロボとか呼び名はいろいろとありますが、赤や緑の光がキラキラと光る花火です。まあ呼び名通りの花火です。

私は花火の仕事に携わって約8年、この点滅の花火を作ってきて概ね理解している気でいましたが、今年に入って2つ大きな間違いに気がつくことができました。

毎年作り始めに確認のため星の燃焼実験をするのですが、今年はなぜかうまく燃えません。そこでもう一度始めからやり直していくとある一つの作業が抜けていることに気がつきました。今まではその作業自体特に重要性を持ったものだと認識していなかったため、これは関係ないだろうと思いましたが一応作り直したところ、今度はうまくいきました。
この失敗のおかげで、自分の中の点滅の花火の概念が大きく変わりました。
これを発見できたときはもう興奮でした、もっと良くできる。あとは時間と根気だけ。

あとひとつは花火の専門書?がきっかけでした。本屋などで売られている花火の写真などが入ったものでなく、化学用語びっしりです。花火は中学校の化学で習った炎色反応の応用ですが、すべてを化学で説明できるわけではないそうです。ですが根本にあるのはやはり化学だと思います。それをちょっとずつ理解できるようなり、使えそうなものをピックアップして、あとは時間と根気だけ。
この本の著者は昭和50年代から点滅花火を研究してきて(もっと前からしているのかも)、やっと今自分はそれに追いついてきたと思うと本当に先人の努力の上に成り立っているんだなと思います。

そんな2つの発見があり、新しい色の点滅ができそうです。
今までは赤・緑・黄しかできなかったのですが、今年はパステルカラー(ピンク・水色・レモン・オレンジ)ができそうです。
実際にはまだ出来ていませんが、もし出来たら3月ごろに日本のどこかで見れるかもです。
早く自分自身が見てみたい・・・。もし勘違いだったらどうしようと思う今日この頃です。
それではお楽しみに!!

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