土浦全国花火競技大会を終えて 横田栄一
2014年10月09日
今年初めてスターマインの部に出品ということで、私が担当させてもらいました。
そこでまとまりもなく感想などを書こうと思います。
今年初めての出品でしたが、実は去年も申し込もうと社内では話あっておりました。
しかし土浦のスターマインの打ち上げ玉数は4号以下400玉以内。そこそこの数です。
簡単に作れるわけではありません。昨年は製造できた玉もなんとか夏を乗り切れる
ぐらいで土浦用に星・玉を残しておく余裕がありませんでした。
なので泣く泣く申込みは諦めましたが、この時点で使う楽曲は決めていたので、
出品申込書には、来年度出品したいという意向と使用予定の楽曲を書いて違う部門にエントリーしました。
そして今年、夏が終わっても多少余裕ができるよう星・玉を作ってきました。
夏前に出品申込書が来て、昨年から考えていたタイトル・楽曲を書きエントリーしました。
毎年土浦のスターマインに出品している業者とは違って、エントリーが通るとは限りません。
なので夏前から土浦用としては玉の確保はできません。
お盆を過ぎたころやっと結果がきました。
この時点ではすでに他の花火大会の玉の構成などは終わっているので、あと残った玉は自由に使える状況でした。
在庫の玉でもそれなりの演出はできそうでしたが、それはしたくなかった。
土浦のスターマインは加藤煙火を全国の花火ファン、花火関係者にアピールできる最高の舞台であり、
個人的にも加藤煙火に入社してからずっと出たいと思っていた花火大会でした。
なので今自分たちのできる最高の花火で勝負に出たかった。
それで会社のみんなには無理を言って、土浦用の星・玉を始めから作り始めました。
パステル系の点滅星は夏前にそれなりの量を作ることができたのでよかったのですが、
問題はスターマイン前半で使用する白点滅(銀点滅)でした。
うちの売りとして、銀・銀冠の他に白牡丹があります。白牡丹は全国的にもあまりないように思います。
この白・銀にバリエーションをつけるために白点滅を使用したいと考えていたのですが、現状うちの白点滅は
少し黄味がかった白で、クリアな白ではありません。
昨年の冬ごろから透明感のある白を目指して研究を行いました。夏前あたりにある方のご教授があり、
目指す白に近いものができました。ただ夏まで時間がなく星にするまではできませんでした。
そこでこの白を星にして土浦で使用しようと、作業にはいりました。
星を完成させ、それを玉にするには相当な時間がかかります。通常なら新しく研究した星・玉は試験打ちを行って
夏にお客さんに披露するのですが、そこまでする時間はなかったので、そのまま玉を完成させました。
これが9月中旬から下旬ごろだったでしょうか。
たまたま他の試験打ちをする機会があり、その時一緒にこの白点滅の星を打ってみました。
・・・うまく着火しません。
しかしもう玉にしてしまっているし、違う玉に置き換えることもできません。
急いで他の玉を作るか、そのままいくか悩みました。
眠れず、迷った末結局このままいくことに決めました。
玉の状態ならなんとか着火しそうという勘と、なによりこの星を使用したスターマインが見たかった。
もしダメだったらそれが今の自分の技量として受け入れようと腹をくくりました。
で本番はというと、なんとか火が付きました。理想とするものとは明るさも足らないし、火カスも少し出ていた。
最初の1発目でこの玉を見たときは安堵で、その後の流れをあまり覚えていません。
完璧とは言えないものでしたが、加藤煙火の想いを皆さんに伝えることができたでしょうか。
6月ごろからずっと気を張りっぱなしで少し疲れました。秋の祭礼シーズンが終わったら
今までできなかった家族サービスを頑張らないと。